傷跡修正アートメイクは、手術痕や怪我、やけど、妊娠線、リストカット跡などで色素が抜けたり赤みが残ったりした皮膚に、周囲の肌色に合わせた色素を注入して目立たなくする医療施術です。
近年、妊娠線やリストカット跡をアートメイクで隠す方、隠したいと考えている方が増えています。
実際、施術後すぐに目に見えて効果がでることから傷跡を目立たなくする目的では効果的な施術です。
しかしながら、アートメイクでは隠せる傷・隠せない傷があり理解した上で施術に挑まなければ「高いお金を払ったのに効果があまり感じられない」というトラブルにもなりかねません。
そこで本記事では、傷跡修正アートメイクの内容やメリット・デメリットについて詳しく解説するとともに、傷跡を根本的に治す傷跡修正も紹介します。
記事の重要ポイント
- 傷跡修正アートメイクは傷を「消す」のではなく色ムラを「隠す」技術
- 適応できる傷は限定的で2年以上経過して色素が抜け平坦になった妊娠線や帝王切開線、軽度の手術痕などが比較的馴染みやすい
- 医療治療と併用がおすすめ
監修者：院長・鈴木 栄樹
「美しくなりたい」を応援します。どんな時代も「美」を願う「心」の本質は変わりません。
当院は「患者様の安心と満足を目標にする。」という当たり前のことを第一に考え、本物の美容形成外科を開設いたしました。
「美」と「心」がつながった「ありがとう」と言っていただける病院でありたい。 「美のホームドクターになれたら…」が私たちの願いです。
【院長略歴】95年聖マリアンナ医科大学卒業/95－97年同大学麻酔科勤務/97－02年大手美容外科勤務 のちに、分院院長歴任/
03－06年医療法人博済会 鈴木病院 美容外科外来開設/06年池袋サンシャイン美容外科開設/日本美容外科学会正会員・認定医
/日本美容外科医師会正会員/日本抗加齢医学会正会員
Contents
傷跡修正アートメイクとは？
傷跡修正アートメイクとは、冒頭でも説明した通り「傷跡を目立たなくするためにアートメイクを施す」施術になります。
傷跡修正にはいくつか施術方法があるものの、妊娠線やリストカット跡を目立たなくするのに効果があります。
スカーレスとSKIN52の違い
「スカーレス（Scarless）」も「SKIN52」も、いずれも傷跡修正アートメイク技術を指す名称です。
大きな違いはなく、いずれもAIによる肌色解析と多色の色素を調合して注入します。
これらの施術が注目される背景には、傷跡が残ることで自信を失ったり、パートナーの反応が気になったりといった心理的負担があります。
傷を見せたくないという悩みを解消する手段として、こうした色素施術への関心が高まっているのですdailyskinclinic.jpkizu-clinic.com。
傷跡修正アートメイクは肉割れ・妊娠線・肌の色が変わった部分に有効
肉割れや妊娠線は妊娠後に白く抜けることが多く、帝王切開線なども成熟すれば白っぽく平坦になるため、色を入れて馴染ませやすい部位です。
軽度の手術痕や前腕・手首の自傷跡（2年以上経過し、赤み・盛り上がりがないもの）なども比較的適応しやすいとされています。
これらは単なる美容目的ではなく、過去の傷跡に縛られず新しい人生を歩みたいという患者さんの願いの表れでもあります。
実際、「傷を隠すものではなく、気にしなくていいものになる」と日常生活が一気に楽になります。
傷跡修正アートメイクで隠せる傷・隠せない傷
ここからはアートメイクで隠せる傷跡を紹介します。
アートメイクで隠せる傷
アートメイクで隠せる傷は以下のような傷です。
- 白く平坦な線状瘢痕：成熟した妊娠線や帝王切開の傷跡など、色素が抜けて肌と同じトーンになった瘢痕
- 軽度の手術痕・怪我の跡：幅が狭く盛り上がりの少ない瘢痕（小規模の切開痕やホクロ除去後の傷など）
- 萎縮性瘢痕：面積の狭い凹み瘢痕（小さなニキビ跡や軽度の陥没痕）も、一部では色調だけなら改善できる
これらの傷は周囲の肌色に近い色素注入で境目をぼかしやすいため、アートメイクの効果が出やすいとされています。
アートメイクで隠しにくい傷
アートメイクで隠しにくい傷は以下のような傷です。
- 炎症や赤みが残る瘢痕：傷跡がまだ赤い状態だと色素が定着しにくく、逆に刺激で悪化する恐れがある
- ケロイド・肥厚性瘢痕体質：ケロイド体質の方は注入刺激で瘢痕が盛り上がるリスクがあり、原則アートメイクは不可
- 深いへこみ・硬い瘢痕：瘢痕拘縮や深い陥没がある場合、色を入れても形状はそのままなので根本的な改善にならない
これらの傷は組織構造に問題があるため、アートメイクでは対処困難です。
見た目を改善したいと考えている方は、アートメイクで隠すのではなく医療機関で皮膚の治療が必要です。
例えば、外科手術やフラクションレーザーによる治療を行うことで、瘢痕や盛り上がった傷跡を平坦にし、目立たなくすることが可能です。
傷跡修正アートメイクのメリット
傷跡修正アートメイクのメリットは以下の通りです。
- 色むら・赤み・白抜けを目立たなくする
- 人目を気にせず生活しやすくなる
- 治療後の効果が目に見えてわかりやすく即効性がある
それでは詳しく解説します。
色むら・赤み・白抜けを目立たなくする
アートメイクは傷跡の色調を周囲の肌に合わせるため、白く浮いた瘢痕や赤み、色抜けした部分が視覚的に馴染みやすくなります。
完全に消すわけではありませんが、日常生活でほとんど気にならないレベルまで改善できます。
人目を気にせず生活しやすくなる
傷を隠すために水着や温泉、結婚式を避けていた人も、アートメイクでカモフラージュすると肌を露出しても周囲の目を気にせず自信を持てるようになります。
実際、施術後に「傷跡を気にせず振る舞えるようになった」「肌の露出が怖くなくなった」という声も寄せられるほどで、傷跡が気になる方にとっては効果的な施術になります。
即効性と短いダウンタイム
レーザーや手術とは異なり、施術直後から色ムラの改善を実感しやすく、大きなダウンタイムもありません。
施術時間は15〜30分程度と短く、痛みも少ないため、当日から普段通りの生活に戻れます。
効果もすぐ見えるため、学生や仕事で忙しい方にも利用しやすいのが特徴です。
傷跡修正アートメイクのデメリット
傷跡修正アートメイクのデメリットは以下の通りです。
- 経年劣化で色が効果が薄くなる可能性がある
- 傷跡の形状自体は変えられない
- 日焼けすると施術箇所が目立つ
それでは詳しく解説します。
経年劣化で色が効果が薄くなる可能性がある
アートメイクの中でも肌色系色素は経年で少しずつ色が薄くなり、長期間ではムラになることがあります。
実際、使用する医療用色素でも1年〜1年半で徐々に退色するとされ、定期的な追加施術（リタッチ）が必要です。
アートメイクの効果は永久的に続くわけではないので、その点理解した上で施術を検討しましょう。
傷跡の形状自体は変えられない
アートメイクは表層への色素注入であり、盛り上がりやへこみといった瘢痕の実際の形状には効果がありません。
硬い瘢痕や段差がある場合、そのまま残ります。
根本的に段差を平らにしたい場合は、先にレーザーや注入治療、瘢痕切除などの医療処置が必要です。
日焼けすると施術箇所が目立つ
傷跡修正アートメイクはあくまでも「部分的に色を変える」ので、日焼けをすると施術部分だけ色が変わらないのでかえって目立ってしまいます。
また、日焼けをした肌で施術を受けると、日焼けが落ち着いて元の肌の色に戻った時に施術分が目立ってしまいます。
このため、普段から日焼けサロンを利用している方や、シーズンごとに肌の色が変わる方は、施術前後の日焼けに気をつけてください。
傷跡修正はアートメイクより修正手術が適している理由
ここまで傷跡修正アートメイクについて解説してきましたが、アートメイクは一時的な処置にすぎず、効果も永久的でないことがわかったと思います。
これを踏まえると、ただ隠すだけの治療を行うよりは、傷跡修正手術を受けて根本的な傷跡の改善を目指した方が将来的にも見た目的にも有効です。
ここからは、傷跡修正はアートメイクより修正手術が適している理由について、もう少し詳しく解説していきます。
盛り上がり・へこみ・皮膚の硬さなど構造的問題は医療でしか治せない
瘢痕拘縮（皮膚の引きつれ）や深い凹み、小さな肥厚（瘢痕隆起）など、組織の厚みや硬さに起因する問題は色素注入（アートメイクなど）では解消できません。
例えばフラクショナルレーザーでは、皮膚に微細な孔を開けて真皮に熱エネルギーを届け、コラーゲン再生を促進することで凸凹をなめらかにし肌質を根本改善します。
同様に、脂肪注入や皮膚切除・縫合といった形成外科的治療も物理的に形状を変える方法です。
これら医療処置は皮膚内部の再生を促すため、瘢痕を作り直すような根本的な改善が可能です。
傷跡そのものを根本から改善できるのは医療だけ
傷跡修正アートメイクは「あくまでも傷跡を目立たなくする効果」であり、瘢痕自体を完全に消すものではありません。
言い換えれば、傷跡を「消去」するのは医師による切除縫合・瘢痕形成手術やレーザー治療などの分野です。
たとえば切除縫合では傷跡を切り取って新たに縫い直すことで形状を一変させられますし、ステロイド注射やフィラー注入で硬い瘢痕を柔らかくする方法もあります。
こうした医療的アプローチは再発防止や長期的な仕上がりの面で優れており、リストカット跡のような複雑な瘢痕にも対応できます。
アートメイクは最終仕上げとして組み合わせるのが最適
傷跡修正アートメイクの活用方法としては、「まず医療で形状を整えたうえで色を補う」のというのが正しい施術方法です。
たとえば、隆起や陥凹が目立つ瘢痕にはフラクショナルレーザーや切除術で肌表面を平滑化し、その後SKIN52で色味を合わせるといった流れです。
実際、凸凹がある傷跡にはレーザー等の先行治療を提案するクリニックも多く、その後にアートメイクを「仕上げ」として組み合わせるとより良い結果が期待できます。
リスカ後や傷跡の根本的な治療は医療アプローチを受けよう
これまで解説してきたように、傷跡修正アートメイクは色調を整える「仕上げ」の施術です。
深い傷跡や赤みが強い場合、まずはレーザー治療や注射、切除などの医療的治療で形や硬さを改善することが根本治療につながります。
以下は池袋サンシャイン美容外科が公開している代表的な瘢痕治療の料金例です
上記のような医療的選択肢も視野に入れたうえで、担当医と相談しながら治療計画を立てましょう。
アートメイク単体では限界があることを理解しつつ、専門医による安全な診療を受けることが重要です。
まずは瘢痕治療に詳しい医師に相談し、最適な治療法をご検討ください。
池袋サンシャイン美容外科は、傷跡に悩む「心」と「肌」を大切にした治療を提供しています。
リストカットや事故による傷跡修正を専門としており、最新鋭の技術で傷跡を限りなく元の肌に近づける施術を提供しています。
傷跡にお悩みの方は、無料カウンセリングを実施していますので「こんな傷は治せる？」「見た目だけでなく根本的な傷跡の治療を受けたい」「傷跡の修正にかかる費用はいくら？」などお気軽にご相談ください。
傷跡修正アートメイクに関するよくある質問
ここからは傷跡修正アートメイクに関するよくある質問を紹介します。
傷跡をアートメイクで消すことはできる？
傷跡をアートメイクで完全に消すことはできません。
あくまで肌の色味を補正して目立たなくする施術です。
傷跡そのもの（段差や硬さ）は残るため、色が馴染むことで視覚的に目立たなくなるという理解が必要です。
韓国での傷跡アートメイクは安全？
価格が安い魅力はありますが、安全性に注意が必要です。
韓国の一部クリニックでは日本と異なる成分の色素が使われており、赤みや青みを帯びて不自然に固着する事例も報告されています。
また、日本より衛生管理やアフターケアが不十分なケースもあり、帰国後に炎症が起きたり期待した色味にならないリスクがあります。
価格だけで判断せず、施術者の資格・実績を確認し、万が一のフォロー体制を整えた医療機関を選びましょう。
リストカット跡にもアートメイクは可能？
リストカットなどの自傷跡でも古い瘢痕で硬化が少なければ適応となることがあります。
逆に新しい傷や赤み・硬さが残る場合は治療適応外で、まず外科的な瘢痕治療を検討します。
肌色タトゥーで傷跡は綺麗に隠せる？
肌色系のアートメイクで傷跡を目立たなくすることはできますが、完全に隠ぺいできるわけではありません。前述した通りで、色素はだんだん薄くなるため定期的な再施術が必要です。
まとめ
傷跡修正アートメイクは傷跡を消すのではなく、周囲の肌色と馴染ませて目立たなくする医療施術です。
白くなった妊娠線や小さな手術痕などには効果的ですが、赤み・ケロイド・深い凹みのある瘢痕には向きません。
施術した後すぐに見た目が改善し生活の質が上がる反面、色素は徐々に薄れるためメンテナンスが必要です。
もし形状の問題を根本的に解決したい場合はレーザーや手術などを併用するのが望ましいでしょう。
まずは専門の医療機関で診察を受け、最適な治療計画を立ててください。
池袋サンシャイン美容外科では無料カウンセリングを実施しているので、「こんな傷は治せる？」「見た目だけでなく根本的な傷跡の治療を受けたい」「傷跡の修正にかかる費用はいくら？」などお気軽にご相談ください。
