ケロイドはどう治す?治療方法や手術費用について紹介

ケロイドの治療は、見た目の変化や痛み、かゆみといった症状に悩む多くの方にとって、大きな課題となります。
特に、長期間にわたって症状が続く場合には、心身ともに大きな負担となり、対処に悩まれる方も少なくありません。
池袋サンシャイン美容外科では、ケロイドによるお悩みに真摯に向き合い、患者様一人ひとりの症状や体質に応じた最適な治療法をご提案しております。
本記事では、ケロイドについての基礎知識と、当院における治療の方針についてご紹介いたします。
ケロイドとは|原因も解説

ケロイドとは、傷や手術痕、ニキビ、ピアス穴などの皮膚のダメージが治る過程で、本来の治癒を超えて線維組織が過剰に増殖し、皮膚が盛り上がってしまう良性の腫瘍です。
特に、ピアスの穴・ニキビ跡・手術の縫合部分など、皮膚に張力がかかる部分に発生しやすく、一度できてしまうと自然に治ることはほとんどなく、再発を繰り返す厄介な疾患として知られています。
以下に、ケロイドの定義やケロイドになる原因について詳しく解説します。
ケロイドの定義
ケロイドとは、傷やニキビ、手術のあとに皮膚が過剰に治癒し、盛り上がったまま固く残ってしまう良性の瘢痕(はんこん)のことです。
通常、キズや外科手術のあとにできる瘢痕は、時間の経過とともに目立たなくなっていきますが、ケロイドはその後も成長を続け、正常な皮膚の範囲にまで広がるのが特徴です。
日本医科大学では以下のように定義されています。
ケロイドは,皮膚の損傷を契機に生じる良性の線維増殖性病変である.(中略) ケロイドは,元の損傷範囲を超えてその周囲の正常皮膚へと拡大し,長年にわたって成長し続け,自然に退行することはまれである.(引用元:日本医科大学医学会雑誌 2020; 16: 8―17)
ケロイドは、一般的な「傷跡」とは異なり、本来の傷の範囲を超えて盛り上がる性質があります。
医学的には「良性の線維性腫瘍」とされ、悪性ではないものの、かゆみ・痛み・赤み・熱感などの症状が慢性的に続くことがあります。
ケロイドができる原因
ケロイドができる原因は、皮膚の深層である真皮層にまで及ぶ損傷が関係しています。
炎症が長く続くことで線維芽細胞が過剰に働き、通常よりも多くのコラーゲンが分泌されることによって、傷が治りすぎてしまう状態になります。
特に、肩や胸、背中、耳などは、皮膚に張力がかかりやすい部位で発症リスクが高いです。
傷口を安静に保てなかったり、感染やアレルギー反応を伴う場合も発症しやすくなります。
傷がふさがる前に汗や摩擦などの外的な刺激を受け続けると、皮膚の回復がうまくいかず、ケロイドへと進行することがあります。
このように、傷の深さや部位、炎症の程度、外的刺激の有無など、複数の要素が複雑に絡み合ってケロイドは発生します。
ケロイド体質について
ケロイドのできやすさには個人差があり、体質が関係しています。
いわゆる「ケロイド体質」の場合、皮膚の修復反応が過剰に起こりやすく、線維芽細胞の働きやコラーゲンの生成が過敏に反応してしまうと考えられています。
ケロイド体質の特徴
- 家族にケロイドになりやすい人がいる
- 軽い傷やニキビ跡でも皮膚が盛り上がる
- かゆみ・赤み・痛みといった症状が強く出やすい
- 肩・胸・耳たぶ・あご下など、特定の部位にできやすい
- 傷が治っても皮膚が硬く、広がり続ける傾向がある
こうした体質を持つ方は、ニキビや虫刺されといった小さな刺激でもケロイド化することがあるため、予防と早期の治療がとても重要になります。
ケロイド治療の種類|どう治す?

ケロイドの治療には、患者様の症状や体質に合わせた多様なアプローチが必要です。
当院では、保存療法からレーザー治療、手術療法まで、個々の状態に最適な治療法をご提案しています。
以下に、当院で行っている主な治療法をご紹介します。
飲み薬(内服薬)
ケロイドの治療には、外側だけでなく内側からのアプローチも重要です。
トラニラスト(リザベン®)などの抗アレルギー薬を内服することで、皮膚内部の炎症を抑え、線維芽細胞の過剰な活性を抑制します。
特に、赤みやかゆみ、炎症が強いタイプのケロイドに効果が期待でき、他の治療法との併用で相乗効果が得られることもあります。
副作用が少ない点もメリットの一つで、継続的な内服によって症状のコントロールが可能です。
塗り薬(外用薬)
軽度のケロイドや術後の予防には、ステロイド外用薬やジェルタイプの薬剤を使った外用療法が効果的です。
これにより皮膚の炎症を抑え、赤みや盛り上がりの軽減が期待できます。
当院では、症状や肌質に合わせた処方を行い、自宅でのケアがしやすいようサポートしています。
特に、術後や注射療法と併用することで、より高い治療効果が見込めます。
圧迫療法
ケロイドの治療には、物理的に皮膚を圧迫する方法もあります。
シリコンシートやテープを用いて、皮膚表面に一定の圧力をかけることで、異常な線維組織の増殖を抑制します。
特に、耳たぶや胸などの盛り上がりやすい部位に対して効果的で、再発予防にも役立ちます。
当院では、患者様の生活スタイルに合わせた無理のない使い方を丁寧にご提案しています。
ステロイド注射
保存療法で改善が難しい場合には、ケロイドに直接ステロイド剤(ケナコルトなど)を注射する治療が行われます。
この注射は、線維芽細胞の異常な働きを抑え、組織の盛り上がりや赤み、かゆみなどの症状を和らげる効果があります。
通常は数回に分けて行い、1〜2週間ごとに通院していただくことが多いです。
局所的な痛みに配慮しながら、患者様にとって負担の少ない方法で施術を進めています。
レーザー治療(スターラックス1540)
当院では、ケロイド状の傷跡に対してフラクショナルレーザー「スターラックス1540(ICON)」を導入しています。
微細な熱エネルギーを皮膚の深部に届けることで、コラーゲンの再構築を促し、盛り上がりや赤みを徐々に改善します。
特に、術後の瘢痕やピアス跡、リストカット跡などに有効で、麻酔不要でダウンタイムが少ないのも大きなメリットです。
5cm×5cmあたり約30分の照射で、月1回のペースで5回程度が目安となります。
切除手術
ケロイドの切除手術では、ケロイド部分を切り取り、傷口を縫合します。
これにより、ケロイドの目立つ膨らみや痛みを軽減し、見た目を改善することができます。
ただし、手術後には再発予防のために上記の治療が必要になることがあります。
ケロイドの手術の費用
手術によるケロイド治療の料金は、患部の大きさや部位、治療内容によって異なります。
当院では、症状やご希望に合わせて治療方針を組み立てるオーダーメイド方式をとっているため、事前のカウンセリングで正確な費用をご案内しています。
費用の目安としては、以下の通りです。
治療内容 | 施術範囲の目安 | 料金(税込) |
---|---|---|
傷跡切除手術(小範囲) | 2cm×5cmまで | 110,000円〜 |
傷跡切除手術(中範囲) | 5cm×10cm前後 | 222,000円〜 |
傷跡切除手術(広範囲) | 10cm以上 | 要相談(症状別) |
「どこまでが保険適用か」「自費でかかる費用の上限を知りたい」など、費用に関するご不安は、どうぞお気軽にご相談ください。
ケロイドの手術のダウンタイム
ケロイドの治療において、手術後のダウンタイムは約1週間〜数ヵ月かかるのが一般的です。
患部の赤みや腫れは数日で落ち着きますが、傷跡の硬さや色味がなじむまでには3ヵ月以上の経過観察が必要になることもあります。
特に、ケロイド体質の方や過去に再発を繰り返している場合は、慎重な経過管理とアフターケアが求められます。
術後日数 | 症状 | 対応 |
---|---|---|
0〜3日 | 軽度の腫れ・赤み・ヒリつき感が出る場合があります。 | 抗炎症薬や抗生物質を内服し、患部は保護テープで固定。シャワーは可、湯船は控えます。 |
4日〜1週間 | 痛みや腫れが和らぎ、傷口の表面が落ち着いてきます。 | この時期に抜糸を行うことが多く、経過によっては外用薬や圧迫療法の開始を検討します。 |
2週間〜1ヶ月 | 皮膚のつっぱりや赤みが徐々に軽減。傷跡が硬くなったり、色素沈着が気になることもあります。 | 圧迫シートやシリコンジェルの使用、ステロイド外用剤などを併用し、再発の予防を強化します。 |
3ヶ月〜半年 | 瘢痕の赤みや盛り上がりが落ち着き、皮膚が周囲になじんでいく時期です。 | 改善の度合いに応じて治療を継続・終了判断。必要に応じてレーザー照射や再注射などを検討します。 |
よくある質問(FAQ)
ケロイド治療に関してよくある質問をまとめました。治療方法などを選ぶ際の参考にしてください。
Q. ケロイドは放置するとどうなりますか?
A. かゆみや痛みが慢性化し、範囲が広がる恐れがあります。早期治療が再発率低下の鍵です。
Q. レーザーと手術、どちらを選べばいいですか?
A. 盛り上がりが小さく、赤み中心の瘢痕はスターラックス1540レーザーで徐々にフラットにできます。一方、隆起が大きい・痛みが強い場合は切除手術で物理的に取り除き、術後にレーザーで修正治療を行う方法が推奨されます。
Q. スターラックスレーザーは痛いですか?
A. 従来のフラクショナルレーザーと比べ劇的に痛みの軽減ができたレーザーですが、痛みに弱い方には、表面麻酔(約15分程度)をお勧めしています。
Q. 何回くらい通院が必要ですか?
A. 月1回のペースで計5回が目安です。症状や体質によって回数追加をご提案させていただく場合があります。
Q. レーザーのあとに赤みや腫れは出ますか?
A. 照射部位がピンク色〜赤色になることがありますが、通常1〜3日で落ち着きます。メイク・洗顔・入浴は当日から可能です。
ケロイドの治療|まとめ
ケロイドの治療は、症状や体質に応じた適切な方法を選択することが非常に重要です。
自己流のケアでは改善が難しいケースも多いため、専門の医療機関での診察と治療を検討することをおすすめします。
池袋サンシャイン美容外科では、保存療法から手術に至るまで、患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案しております。
ケロイドにお悩みの方は、ぜひ一度、当院へご相談ください。